韓国のお母さん(オンマ)
韓国は儒教の影響が強く、家父長制的な要素が強いように聞いていました。
だけどだからといって家族の中でお母さんの立場が弱いようにはドラマでは
見えません。たいてい存在感があって、意思表示もはっきり示していて家族の
中心的存在になっているように見えます。特に息子がお母さんをいたわっている
シ-ンをよく見ます。あくまでもドラマでの印象で、現実にはまた違うのかもしれませんが。
それにしても不思議に思ったのが、けっして弱々しくない、むしろ元気で威勢のいい
お母さんなのに息子に災いがあると、なぜかすぐショックで寝込んでしまうというのが
ドラマで多いです。あの立派になるホ・ジュンの母もそうでした。なぜでしょう?
日本のドラマに出てくる母は息子に何かあったからといってそうそう寝込んだりしません。どちらかというと、たとえ病気で寝込んでいても息子に何かあれば、自分が何とかできないかと起き上がろうとするイメージです。「母は強し」とよくいわれるし。
この描かれる母親像の日韓での違いがドラマを観ての発見の一つです。
親近感
若いころは外国の映画やドラマというと、もっぱら欧米(特にアメリカ)の
ものばかり観ていました。インテリアやライフスタイル、恋愛のイメージなど
そこから吸収していたように思います。
でも今、韓国のドラマを観ていると欧米ものよりもすんなりと共感できること
が多いです。人と人とのコミュニケーションもハグやキスをするという感覚より
基本的にはおじぎをするという、わきまえた感じの方がしっくりくるし。
同じアジア人であり、中でも韓国はなじみやすい気がします。
まぁそうはいっても近いようでそうでもなくて、日常の習慣や冠婚葬祭のスタイル
などかなり違うみたいです。その違いを「へ~え」と思いながら観ています。
ドラマの感想以外ではそのような思うところをポツポツと述べてみたいと思います。
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022)
うっかりこのドラマを観たことを書き忘れていました。最新のものをタイムリ-に観た
という貴重なものなのに。
このドラマの魅力は何といっても自閉症スペクトラムの弁護士ウ・ヨンウ(パク・
ウンビン)のキャラクターにあります。独特の可愛さとユニ-クさ。私はこのドラマではじめてウンビンを見て、ああいう人なのかと思ってしまいそうになりました。そのくらい自然な役作りでした。ウンビンという女優に俄然、興味を持ちました。
彼女の淡い恋のお相手ジュノ(カン・テオ)がとことん優しい二枚目で、二人の睦まじさがとても微笑ましかったです。
ヨンウの上司の弁護士役のカン・ギヨンも感じがよかった。ヨンウのお父さん役のチョン・ペスはそれまでに観たドラマでたびたび見かけて、なじみのある顔でした。
ヨンウの同僚弁護士役のハ・ユンギョンは「最高の離婚」ではじめて見たとき、ボソボソと話すおとなしい役だったので、今回しっかり者の活発な役柄で印象が変わりました。
ゲストなのか1話だけ被告人役で「D・P」で光ってたク・ギョファンが登場。かなり個性的な役どころでした。
このドラマは最近のドラマではピカ1だと思います。
ハマれるドラマとハマれないドラマ
このブログに載せるドラマの感想は全話観たものだけと決めています、
現在は視聴中のものばかりなので、韓国ドラマについての所感など。
これまで感想を記したドラマが15。それが私がハマったドラマです。
そして観始めたものの途中で止めたドラマがその倍以上あると思います。
その「ハマれる」と「ハマれない」のちがいって何だろう?
観てみないとわからないんですよねぇ~。
ハマったドラマを思い返してみると、やっぱり人の魅力が大きい。主役だけでなく、
キャストがみんな魅力的というドラマは親しみが湧いてきてなじめる。それに浮ついていない脚本と。たとえすきな役者さんが出ていても、コンビネーションが良くないとつまらない。ハマれるドラマとも出会いは縁なのだろう。
しばしどっぷりとドラマという架空の世界に浸れることがもっかのしあわせです。
オクニョ 運命の女(2016)
韓国ドラマの時代物に見事に取り憑かれてしまったので続けて鑑賞することに。
やはりイ・ビョンフン監督の作品から。「オクニョ」にした理由はホ・ジュンの
チョン・グァンリョルが出ていると知って。なんとも風貌がむさくるしい役でしたが、
さすがの演技でした。少女の頃のオクニョ一緒のシ-ンは微笑ましかったです。
しかし早々と亡くなって残念。
他のキャストもこれまた魅力的な人ばかり。印象的なのは悪妻ナンジョンのパク・チュミ。ホ・ジュンで立派な側室を演じて好感を持っていました。一転、ここまでイやな女を演じるとは!オクニョの養父役のおじさん(チョン・ウンピョ)も父親代わりの温かさが感じられてよかったです。そのおじさんと夫婦になる同じ典獄署の茶母に「馬医」で王女の側近カク尚官(アン・ヨジン)が、「ホ・ジュン」でイェジンを助けた従事官(イム・ホ)が出ていたことがうれしかったです。どちらもすきなので。
とにかく全部のキャストが役柄ピッタリで親しみも沸いて、とてもよかったです。
ただストーリーがあまりにオクニョびいきだった感もありますが。
オクニョといい雰囲気になる王様役のソ・ハジュンや結果的に相思相愛とわかるお相手
テウォン役にコ・スとイケメンが目立つドラマでもありました。
コ・スの表情を見て、「日本の役者の誰かに似ている・・・」とおもったのですが、
三上博史でした。
ホ・ジュン~宮廷医官への道~(1999)
「馬医」を夢中で観て、時代物の魅力も知ったので、次に同じイ・ビョンフン
演出の作品の中から選びました。このドラマ、なんと韓国ドラマ史上最高の
視聴率だったそう。なるほど、たいへん見ごたえのある良い作品でした。
映像がすごく地味で、なかなか話が進んでいかないし、評判が高くなかったら
初めの方で観るのを止めてしまっていたかも。でも観ているうちにすっかり
このドラマにハマってゆきました。
その魅力はまず、ホ・ジュン(チョン・グァンリョル)がすごく人間味があるところ。
若いときはワルの時代もあり、ケンカっぱやく感情を表に出しやすいという面もありました。それが医術を身につけ、周りの人に助けられ、自らの渾身の力で患者を助ける中で人間的に深く大きくなってゆきます。ホ・ジュンの師ユ医員役のイ・スンジェが
腕のいい、かつ立派な人格者の役柄でピッタリでした。
ほかにも魅力的なキャストが大勢います。いい味出しているのが、いつまでたっても
医員になれないムードメ-カ-的存在オグン(イム・ヒョンシク)。その他ホ・ジュン
を支える人たちが皆ステキでした。
私がいちばん魅了されたのがイェジン(ファン・スジュン)です。ここまで謙虚で心
優しい女性はそれまで観た韓国ドラマにはいませんでした。薄幸な運命でとても気の毒でしたが、ラストシ-ンに感動しました。
馬医(2012)
「秘密の森」でファンになったチョ・スンウの出演するドラマを
調べたら、まだドラマにはあまり出ていないようでした。
そこではじめて時代物のドラマに挑戦。日本の時代劇さえロクに
観たことがありませんが。
そうして観た印象は映像が色鮮やかできれい。衣裳の色彩などとても。
貧しく育ち、片親の父も早く亡くした少年がめぐり合わせで馬医となり、
さらに人の医者になり、そのまたさらに王様の医者になるという立身伝。
物語もわかりやすく、キャストが華やかで魅力的。
私は王女(王様の妹)とその側近ファミリ-がとってもカジュアルな感じ
で好きでした。全体的に堅苦しさのない、人間味溢れるドラマでした。
数奇な運命をたどって、首医になるまでに様々な困難や嫌がらせがつきまとう
ペク・クァンヒョン(スンウ)が自身の力と周りの人の温かい協力で乗り越える
姿に、ヤッパリスンウの人柄の良さがしっかりあらわれていたのでした。